ニュース

当社の生物多様性保全活動支援制度を活用した社員の活動報告(7)

  • 公開日2018.09.27

 千葉県では、「持続可能な社会づくりに向けて、豊かな感受性を育み、問題解決力を身につけ、主体的に行動できるひとづくり」を目指した環境学習を推進しており、その一環として、県民を対象に環境講座を実施しています。
 環境講座として、農業とエネルギーの未来と題して、再生可能エネルギーの現況と普及へ向けた新たな取り組みの場を見学し学びます。
 千葉県銚子市にある風力発電の実証研究施設と千葉県匝瑳市にあるソーラーシェアリング施設の見学に行きました。

 千葉県銚子市にある風力発電の実証研究施設は、千葉県銚子市の南沖合3.1kmに東西に285m離隔して設置されています。これは、日本の厳しい自然環境に適応できる設計、施工、運転等の技術を実証的に研究、確立する。実験海域は千葉県銚子市沖と福岡県北九州市沖の2地点であり、自然環境の異なる太平洋と日本海の双方で技術確立を目指しています。
 銚子市沖は東京電力と東京大学が共同で受託するなどして実施しています。千葉県銚子沖に浮かぶ、日本では初めての沖合の着床型の洋上風力発電施設、その巨大な風車は、1本あたり約10tのブレードを3枚備える直径約90mという大きな設備です。
 2009年に建設がスタートしたこの洋上風力施設の立地に、銚子沖が選ばれたのは、沖合3kmの地点でも水深は12mという遠浅の海だったからです。また一方で、銚子沖に吹く太平洋の風は、風速や波高の振れ幅も大きく安定しないという厳しい条件を持っています。好立地で、厳しい環境にあることは、様々なデータを蓄積するためには最適とされます。
 銚子沖の洋上風力発電設備は、2009年当時の最先端の技術を結集して造られています。当時最大級と言われた風車が創り出す電力は2,400kW(キロワット)、約1900世帯分の電力量に相当します。風車自体は秒速3mから回り始め、秒速25mに達すると安全確保のために自動停止します。これは漁師が船を出せないくらいの風と波とほぼ同等ですが、建造物としての安全性は最大瞬間風速秒速70mで計算されています。 
 また、陸上に目を転じてみますと、約40基ほどの風力発電施設が既に設置されており、これらは全て一般企業が設置しているもので、詳細は分らないとのことでした。

 千葉県匝瑳市にあるソーラーシェアリングの発電施設は2017年3月に「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」が完成し、その落成式には小泉氏、細川氏、菅氏の3元首相が列席しました。ここはソーラーシェアリングとして日本最大級1MW(メガワット)の太陽光発電所。想定年間発電量は142万4000kWh、一般家庭およそ300世帯分の年間消費量に相当する電力を作り出します。
 匝瑳市のメガソーラーシェアリングはただ規模が大きいだけではなく、その最大の意義は農業が続けられず荒地になっていた「耕作放棄地」をソーラーシェアリングを行うことで再生させようという狙いがあります。
 今までの野立てのソーラー発電システムでは日陰が大きくできてしまい、そのような施設の下での農作物の収穫は種類・量ともに期待できませんでした。しかし、CHO技術研究所 長島彬氏の特許技術により、今までの野立てのソーラーパネルの1/3の幅で、2/3の間隔をあけ、農地の上に藤棚のように高い架台(3m)の所に設置する事で、トラクター等の農耕機械も使用する事ができる。今までの実験実証の結果、ソーラーパネルは作物の生育にほとんど影響を与えず、生育する作物を選ばないとのことです。また、適度な日陰もできることから農作業をする人にも優しい、霜が降りにくい、降雪への対策にもなるということです。
 昨日訪問したときは、大豆、そば、ブルーベリーを栽培しており、収穫を目前にしている状況でした。またソーラーシステムが無い場所で栽培している大豆、そばとの生育状況と見比べてみましたが、遜色を感じられませんでした。
 ここでの事業スキームは、「地元にお金が生まれる」を大事にし、①工事費用:施工は地元の業者、②固定資産税:匝瑳市へ年間350万円、③耕作協力金:地元農家へ年間200万円、④地代:地主へ年間80万円、⑤環境対策費:地元協議会へ年間200万円、⑥見学者:物販、飲食、⑦法人事業税:年間60万円、⑧発電事業者利益:年間600万円 を還元しています。
 ソーラーシェアリングは農業があってこその発電事業です。そもそも太陽光パネルの下で営農しなければ、制度的にも認められません。今回の匝瑳市の例では、耕作放棄地に施設を設置、農業を開始する、そしてそれを継続できる体制を作ることが重要でした。いくつもの偶然やご縁により始まった匝瑳市のソーラーシェアリングも実際、営農者に話を伺うと売電収入や色々な事業の取り組み、ただ農作物を作るだけではなく、作ったものを味噌、地ビール等々の2・3次加工を進めることにより安定しているとのことですが、人手が足りなくて困っているとのことでした。ただこれだけ整然と並んだ施設があり、その施設の下を農業機械も通れることから、GPS等による自動運転システムを導入し、自動化・省力化などを図ることにより、より安定した農業経営をしていきたいとのことでした。
 また、現在有機農法にも取り組んでいるとのことで、次は「有機JAS」の取得を目指し、より付加価値のある農作物を作って行きたいと意気込みを話されていました。