群馬県吾妻郡中之条町六合地区にあるチャツボミゴケ公園内に生育しているチャツボミゴケ群落及びその周辺が、「六合（くに）チャツボミゴケ生物群集（せいぶつぐんしゅう）の鉄鉱生成地（てっこうせいせいち）」として、平成28年11月18日（金）に開催された国の文化審議会（会長　馬渕明子（まぶちあきこ））文化財分科会の審議・議決を経て、史跡名勝天然記念物の新指定を受けることが決定しました。指定は、今年度中とのことです。
  詳細は以下のサイトを参照ください。
  【群馬県ホームページ】
  http://www.pref.gunma.jp/houdou/x4600159.html#shitei1

  弊社は文化財保存管理計画策定やラムサール条約登録指定のコンサルティング経験を活かし、中之条町が開催する「六合チャツボミゴケ調査委員会」の指導の下、国指定天然記念物の指定に必要な自然的環境、社会的環境、文化的環境等の各種調査の支援、並びに調査報告書の取りまとめの支援を、平成25年度から約4年間かけて行ってまいりました。

  現地は、強酸性で金属イオン濃度の高い鉱泉が湧く環境で、チャツボミゴケや鉄バクテリア等の生物活動の副産物として行われる鉄生成現象が観察できる、極めて希少な場所となっています。チャツボミゴケ公園は自然公園内に位置し、散策路も用意され、ゆっくり美しいチャツボミゴケの景観をながめながら、１万年以上前から現代まで続く、地球の営みを知ることができます。周辺には旧六合村の花敷温泉のほか、四万温泉、沢渡温泉などの温泉の名所も多く、新緑の季節や紅葉の季節には絶景が楽しめます。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

関連情報
芳ヶ平湿地群（群馬県）、ラムサール条約登録湿地に（2015.6）
芳ヶ平湿地群におけるCEPA・ワイズユース支援業務（2015.4～2016.3）
天然記念物緊急調査チャツボミゴケ公園環境等調査業務（2015.4～2016.3）
チャツボミゴケ公園植生等調査業務（2014.5～2015.3）
中之条町芳ヶ平湿原周辺自然環境調査・ラムサール条約湿地情報票等作成支援業務（2013.4～2015.3）

• チャツボミゴケ群落
• 鉄鉱床の見える露頭
• レンゲツツジの咲くチャツボミゴケ公園
• 硫化水素を含む強酸性水の湧出
• 強酸性の湯滝と鉄沈着が起きている淀み
• チャツボミゴケの鉄沈着の状況