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当社の生物多様性保全活動支援制度を活用した社員の活動報告(8)

  • 公開日2018.10.22

講師:五箇公一氏
(国立研究開発法人国立環境研究所 生物・生態系研究センター室長)

 「生物多様性異変 ~なぜ外来生物は増え続けるのか~」と題して、外来生物が増え続ける現状及び環境の変化に適応する生物の世界についてご講演頂きました。
 五箇氏によると「外来種」とは人間の手によって元々生息していた場所から別の場所に移送された生き物をいい、この生き物には動物、昆虫、植物など全ての分類群が含まれる。これは私たちが化石燃料を手に入れたことで、移動や運搬などに使われる時間や速度が変化し、これまでの枠を大きく超えた移動・移送能力を手に入れ、一度に多くの外来種が、簡単に速く移動できるようになり、入ってこられる側の生態系はそのための適応が追い付かず、また自然破壊が進み生態系が弱体化してしまったことで、外来種の侵入が進んでしまったとのことです。
 某テレビの「・・・池の水ぜんぶ抜く・・・」のため池をはじめ、外来種がいるエリアは、森を切り開いて畑や住宅地にしたところなど人為的な環境が多く、結局、外来種にそういった場所を与えているのは人間自身であり、そこに在来種だけいてほしいといっても、そういう劣悪な環境では在来種はもたないという問題もあります。環境の劣化により、人間にとっても生物にとっても、今は非常に住みにくい環境になりつつある。外来種を入れるのも人間、はびこらせる環境を作っているのも人間という意味で、外来種問題は単に外来種を駆除しておしまいというものではない。単に外来種が増えて大変ということでもなく、「外来種」というものがここまではびこるようになった、今の世の中が何なのか?というのを考えないと意味がないと、五箇氏はこの問題の根本を指摘されていました。
 昔の里山時代の暮らしから大きく変容し、資源循環型だったライフスタイルから消費型へと変わってしまった現代における外来種問題は、ここに直結した話しでもある。今の我々のライフスタイルこそ外来種を招いている暮らしであり、そのリスクや危険性に結びつけて考えないといけない。国内できちんと資源循環ができる、我々の需要を我々が供給する社会作りを展開することができれば、外来生物侵入リスクの低減にもつながると、五箇氏は重ねてお話しされていました。